悩み(みおさん:4歳のお子さん)

「『自分のせいで、この子は発達障害で生まれてきてしまった』と考えてしまい、苦しいです。息子を心から愛していて、幸せにしてあげたいのに、言うことを聞かないとつい当たってしまい、自分が一番この子を傷つけている気がします。
ありのままの息子をなかなか受け入れられません。先ほどもスーパーで好き勝手に行動する息子を引きずりながら歩き、みんなの注目を浴びてしまいました。施設に入れた方がこの子は幸せになれるのでは、とさえ思ってしまいます。」
体験談・アドバイス
アキラさん(発達障害当事者)

「完璧な子育てを求めすぎてはいませんか?人間は誰しも、どこかに欠点はあるものです。時にはご主人やご両親にお子さんを預けて、少しだけ息抜きをする時間を作ってみてはいかがでしょうか。」
ゆきママさん(小学生のお子さんを持つ)
「スーパーで注目を浴びるつらさ、本当によく分かります。私も長男が3、4歳の頃は、お店で走り回ったり癇癪を起こしたりで、泣き叫ぶ子どもを抱えて帰った記憶が何度もあります。だから、必要最低限しか一緒に出かけず、買い物は保育園のお迎え前に一人で済ませるなど工夫していました。
私たち親も、発達障害の子を育てるのは初めての経験です。試行錯誤の連続で当たり前ですから、どうかご自身のことを責めないでくださいね。」
はるかさん(公認心理師)

「お子さんが安心してありのままの自分を出せているのは、あなたの『せい』ではなく、あなたの『おかげ』なのですよ。発達の特性は、脳の神経ネットワークのチームワークが少しユニークなだけ。あなたという安全基地があるからこそ、お子さんは自分を表現できているのです。
周りの視線がつらい時は、『この子は将来、大物になるのかも?』なんて、アイドルのステージに立つ気分を味わってみるのも一つの手ですよ。」
ちひろさん(1歳のお子さんを持つ)
「そのお気持ち、痛いほど分かります。『あなたのせいじゃない』と周りに言われても、『私から生まれて、私の中で育ったんだから』って、どうしても自分のことのように感じてしまいますよね。私もそんな時は『この子は天才になる!』と自分に言い聞かせています。」
補足ポイント
完璧な親を目指さない
子育ても、子どもの発達も、思い通りにいかないことばかりです。まずは「完璧でなければ」という気持ちを手放し、一日一つでも笑顔になれたらそれで十分、と考えてみましょう。
物理的に少しだけ離れてみる
罪悪感を感じるかもしれませんが、意識的に子どもと離れる時間を作ることは、親にとっても子どもにとっても大切です。パートナーや家族、一時預かりなどのサービスを頼って、自分だけの時間を取り戻しましょう。
環境を調整する工夫
子どもがパニックを起こしやすい場所へ、無理に連れて行く必要はありません。「買い物はネットスーパーや一人で行ける時に」など、親子が穏やかに過ごせるように環境の方を調整するのも、立派な子育ての工夫です。
捉え方を少し変えてみる
「自分のせい」という考えが浮かんできたら、「自分のおかげで、この子らしくいられる」と言い換えてみてください。つらい気持ちを無理に消そうとせず、「そう感じてしまうよね」と一旦受け止めてあげることも大切です。
まとめ
子育てで自分を責めてしまうのは、それだけ深くお子さんを愛し、真剣に向き合っている証拠です。
あなたは決して一人ではありません。周りの人や専門家を頼り、少しずつ肩の荷を下ろしていきましょう。
「完璧な母親」でなくても、お子さんにとってあなたが世界で一番大切な存在であることに、変わりはありません。


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