「いつもと違う順番になっただけで大癇癪」「予定が変わると荒れてなだめるのに1時間以上かかる」ASDやADHDのお子さんのルーティンへのこだわりと、予定変更での混乱に悩む保護者の方は多いと思います。
今回は、視覚支援(予定カード・めくり予定表)と「合言葉」を使って、見通しを作りながら切り替えをサポートする方法を、体験談からご紹介します。
「こだわり・ルーティン」は悪いものではない
まず大切な前提として、ルーティンへのこだわりは「子どもの安心感の源」です。毎日同じ順番・同じ場所・同じ手順で物事が進むことで、「今日も安全だ」という安心を感じています。
問題になるのは、予定が変わったときに「何が起きているかわからない → パニック」という状態になること。これを防ぐのが「見通しを作る」支援です。
体験談:「めくり予定表」で癇癪が減った
Aさん(保護者・年長・ASD中度知的):「紙を数枚用意して、①公園②おじいちゃんの家③昼ごはん……のように1枚ずつ書いて、日めくりカレンダーのようにリング留めにした『めくり予定表』を作りました。文字より絵の方が伝わりやすい子なので、ブランコや家、おにぎりのイラストで。出発前に一緒に確認して、移動中や現地でも何度も見せると、ルーティン通りにできない時の癇癪がずいぶん減りました。」
Bさん(元保育士・保護者):「ルーティンは子どもにとって安心の材料です。できない日は、普段のルーティンと今日の予定を並べて提示して、できないものに×をつけて説明します。『今日はこれができないけど、これはできるよ』と可視化することで、混乱が減りやすいです。」
Cさん(保護者・4歳・ASD):「いつもと違う予定のところに『がまん』という合言葉を書いておきます。現場でそれを見せながら『がまんだね、できたらすごいね』と声かけして、できたら大げさに褒めます。小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ切り替えが楽になってきました。」
Dさん(保護者・中学1年・ASD):「小さい頃は毎回大変でしたが、成長とともに少しずつ落ち着いてきました。本人の希望を全部通すのではなく、『今日は特別』という枠組みで通す場合と通さない場合をはっきり分けることが大事でした。」
すぐ使える「視覚支援・見通しツール」の作り方
めくり予定表の作り方
- A5〜A6程度の紙を数枚用意する
- 予定ごとに1枚、イラストまたは文字で内容を書く
- リングやクリップでまとめ、めくれるようにする
- 出発前・移動中・現地で確認しながら使う
合言葉の使い方
- 予定表の「いつもと違う」箇所に「がまん」「今日は特別」などの合言葉を書く
- その場面になったら予定表を見せながら合言葉を声に出す
- できたら具体的に褒める(「がまんできた!すごい!」)
ポイントまとめ
- ルーティンは「安心の材料」。否定せずに活用する
- 予定変更は「事前に可視化」することでパニックを予防できる
- できないルーティンは×印で明示。「何がどう変わるか」をはっきり見せる
- 合言葉+褒めで「切り替えた成功体験」を積み重ねる
- 成長とともに落ち着くケースも多い。長期的な視点で取り組もう
