「病院に連れて行くたびに大暴れで、毎回ぐったり…」「体が大きくなってきて、押さえるのも限界になってきた」感覚過敏や不安が強いお子さんの受診は、親子ともに大きな負担になることがあります。
今回は、病院での検査・処置をスムーズにするための「慣らし方」と「声かけのコツ」を、保護者の方の体験談からご紹介します。
「年齢が上がれば落ち着く?」とは限らない
Aさん(保護者):「5歳の子どもが、病院で検査のたびに手足が出てしまいます。看護師さんに『しっかり押さえてください』と言われ、毎回ぐったりします。体が大きくなってきて、押さえるのも正直限界です。ご褒美作戦も最近は効かなくなってきて…。」
Bさん(保護者):「うちは高校生になっても、インフルエンザの検査で手が出ることがあります。年齢が上がれば自動的に解決するわけではないと実感しています。」
体験談:家庭でできた「慣らし」の工夫
Cさん(保護者):「耳を触らせない子に、まず綿棒を頬に当てるところから始めました。慣れてきたら耳周り、次に耳の中へ、と段階的に進めました。やるときは必ず声かけ(『トントン、お邪魔しますよ』など)で予告してから。大人側は笑顔と楽しい雰囲気を意識して、怖い体験にならないようにしました。」
Dさん(保護者):「病院ごっこをおすすめします。おもちゃの聴診器で胸を当ててもらう、口を『あーん』して見せるなど、遊びとして繰り返していると、本物の病院でも受け入れやすくなりました。できた部分は必ず褒めて、小さな成功体験を積み重ねるのがポイントです。」
Eさん(保護者):「入院のとき、初めて泣かずに点滴できました。その前から、注射器の形に慣れるようなおもちゃで遊んでいたことが効いた気がします。お菓子のご褒美も小さな後押しになりました。」
家庭でできる「脱感作」の段階ステップ
医療場面の苦手さを和らげるために、家庭でできる段階的な慣らし方をまとめます。
STEP 1:遊びの中で道具に慣れる
綿棒・聴診器・体温計などを「おもちゃ」として遊びに取り入れます。怖い文脈から切り離して、楽しい場面で触れることが大切です。
STEP 2:段階的に近づける
例えば耳が苦手な場合:
①綿棒を頬に軽く当てる→②耳周りを触る→③耳の穴の近くまで→④耳の中に入れる
一度に全部やろうとせず、「今日はここまで」と小さなゴールを設定します。
STEP 3:声かけ・予告を必ずする
「今から〇〇するよ」「トントンしていい?」と事前に告げることで、突然触れられる怖さを軽減できます。親が笑顔でいることも大切です。
STEP 4:できたことを具体的に褒める
「今日は耳の近くまでできたね!すごい!」と具体的に褒めます。「全部できなかった」ではなく、「ここまでできた」という成功体験を積み重ねます。
ご褒美が効かなくなってきたら
ご褒美(シール・お菓子など)は補助として有効ですが、恐怖が強いと報酬よりも恐怖が勝ってしまうことがあります。その場合は、ご褒美に頼るより「慣れ」の積み上げを優先しましょう。
長期戦になることも多いです。一度うまくいかなくても、「今日はここまで」と割り切って、親自身も無理をしすぎないことが大切です。
まとめ
- 年齢が上がれば自動で解決するとは限らない。長期的に取り組む姿勢が大切
- 「慣らし」は遊びから始める。怖い場面から切り離してポジティブな経験を積む
- 段階を細かく分けて、「今日はここまで」と小さなゴールを設定する
- 声かけ・予告で「突然さ」を減らす。親は笑顔で楽しい雰囲気を意識する
- できたことを具体的に褒めて成功体験を積み重ねる
